ウールの魅力を全て数字で説明することは出来ません。重さ、保温性、吸湿性。素材の性能を比べるための数字はたくさんあります。けれど、長く使いたくなる理由は、それだけではありません。お気に入りのウールジャージに袖を通したとき。少し肌寒い日にニットを着たとき。出かける前に、いつもの帽子を手に取ったとき。そこには、性能表では表すことのできない心地よさがあります。
ウールには、均一すぎない表情があります。触れたときの柔らかさ。繊維が作る微妙な陰影。時間とともに変わっていく風合い。そうした小さな違いが、その品物に個性を与えます。そして、長く使うほど「自分のもの」という感覚が強くなっていきます。
衣服は、身体を守るためだけの道具ではありません。ときには気分を変え、安心感を与え、出かける理由を作ってくれることさえあります。暖かいということは、単に温度の話だけではないのかもしれません。身につけたときに、少し気持ちが落ち着く。
また使いたいと思える。そんな感覚も含めて、私たちはウールの「暖かさ」だと考えています。
ウールの魅力は、まだまだ一つではありません。
次は「◻︎文化を身にまとうということ」をご覧ください。
◀︎「□時を重ねて育つ価値」