観戦記録【第5回アジアパラ競技大会・パラ射撃】(1日目)
観戦記録【第5回アジアパラ競技大会・パラ射撃】(1日目)

観戦記録【第5回アジアパラ競技大会・パラ射撃】(1日目)

 9月19日、20日、第20回アジア競技大会に引き続きまして、第5回アジアパラ競技大会に行ってきました。

 今回は自転車競技ではなく私が高校生から続けている射撃競技。全くの運動音痴である私がずっと続けている唯一のスポーツがライフル射撃なのですが、射撃競技はパリ五輪で一躍有名になった「無課金おじさん」が登場するまでは超マイナースポーツでしたね。ちなみに無課金おじさんのあの格好はピストル競技では普通の格好ですが、私がやっているライフル競技はコートとズボン、シューズ(これはピストル競技でも専用シューズを履いている人が多いです)、さらにはウェアを入れるバッグやライフルを入れるケースなどとにかく嵩張るものを持って射撃場に行くと言う面倒臭いの真骨頂のようなスポーツ。銃も結構高い。エアライフル(空気銃)はまだ安い方でスモールボアライフル(小口径薬装銃)やラージボアライフル(大口径薬装銃)は高級ロードバイクや自動車も買えそうな値段ですかね。

 と、まぁ無課金とは無縁のライフル競技ですが、実は結構インクルーシブな競技。視力、聴力や身体が不自由でも競技することが可能な競技なのです。近年では競技力向上事業の指定を受けていて、国際大会でも複数のメダルを獲得するレベルにまで到達しました。しかし、この競技はアジアでいえばインド、中国、韓国の独壇場と言っても過言ではありません。

 前置きが長くなりましたが、今回は2日間観戦しました。観戦した競技は男子、女子のエアライフルSH1立射競技とエアピストルSH1競技。会場は愛知県総合射撃場。アジア大会のために改装したとてもきれいな施設です。今回はパークアンドライドでの観戦となり、事前予約した駐車場がある小学校跡地に車を止めて、そこからシャトルバスに乗って会場に向かいました。駐車場までの道のほとんどがアジア大会のロードレースを観戦するために通ってきた道なのである意味慣れた道でした。

 チケットでは10時から試合開始とのことでしたので、それに間に合うように現地に向かいます。駐車場、会場では多くのスタッフさんが働いていましたが、どなたもフレンドリー。シャトルバスにはこれから会場に向かうボランティアさんも乗車していました。現地に到着すると簡単なボディチェックがありました。これはどこの会場でも同じ。席は自由席でしたのでVIP席の真後ろの見やすい席を確保しました。一般の観戦者は数えるほど。確かチケットは完売しているはずなのですがガラガラと言う状態。そして何より驚いたのが試合はモニター観戦。男女とも10時からは本選だったのですが、モニターに映し出される画像は男女の試合の様子と男子のリアルタイムの得点。女子の方はどんな状況か全く分かりませんでした。スタッフさんに本選会場は観戦できないのか聞いたところ観戦出来ないとのこと。さらにはキッチンカーの表示があったものの結局キッチンカーは来ていないなど、ちょっと不満が。会場にいる少数の一般観戦者にその旨伝えるとがっかりした様子。ちなみに男子のファイナルは12時10分から、女子のファイナルは14時5分からでした。その間、モニターを見つつ10時から開店したグッズ売り場で買い物をしたり、座席で飲食したり。この会場では座席で飲食ができるのはありがたかったです。

 12時過ぎから始まった男子のファイナル。ISSF(国際射撃競技連盟)のルールに従い、ファイナル戦に残った8人はいつもの国(インド、中国、韓国)とカザフスタン。アジアでは上位の国ばかりですね。日本の望月選手は15位でファイナルには残れませんでした。ファイナル戦は5発を2回、その後1発ずつ撃ち、12発目、14発目と偶数の射撃数の最下位の選手から脱落していくシュートオフ方式。22発目で銅メダルが決定し、24発目で金・銀メダルが決定します。以前は競技中は私語ご法度でしたが、今は競技中は大音響で音楽が流れ、観客は大きな声で声援を送ります。初めてこの競技を観戦するとこの会場の雰囲気にかなりの違和感を持つのではないでしょうか。以前観戦した試合ではカウベルを鳴らす観客もいましたよ。応援の声が競技者全てに応援として聞こえるとは限らず、大きなノイズとして集中力をそがせる結果にもなりかねないのが面白いです。たいていの場合、競技者は耳栓をしていますが、競技開始等の射場長の掛け声は聞こえないといけないわけで結局場内の大音響も聞こえていることになります。

 そんなこともあって、射撃は実は心理的精神的なタフさを求められる競技。銃器についてはメーカーやモデルこそ違えど着弾に関してはほとんど差がないので実のところ勝負は人間にかかっています。目の前にあるモニターに自分の着弾点や点数、他の選手の点数や全体順位がリアルタイムで映し出されるのでこれも結構心理的につらいもの。

 一発撃つごとに順位が目まぐるしく変わり、高得点が出るたびに観客が大声で叫ぶ中、最後まで安定した得点を重ねてきたGABBASOV Yerkin選手がアジアパラ記録で優勝。銀と銅はともに韓国のPARK Jinho選手とLEE Jongho選手。上位2人はかなり競った展開でした。

 女子のファイナルは世界ランキング1位の選手が最後の最後に世界ランキング35位の選手に逆転されると言うスリリングな展開。金メダルはAGARWAL Mona選手、銀メダルはLEKHARA Avani選手、銅メダルは韓国のLEE Yunri選手。金メダルを獲得した瞬間のMora選手の喜びようと2位になってしまったAvani選手の表情の差が凄すぎてちょっと見ていられないくらい。世界ランキング1位と言うプライドもあるでしょうし、まさか格下も格下の選手に最後の1発で逆転されるとは思いもよらなかったのでしょう。

 タフな試合とはこのようなものなのだと思う試合でした。客席にいたインドの方々は2人の選手のうちのどちらかを応援していたようで、金メダルを獲得した選手の応援団と銀メダルを獲得した選手の応援団の試合後の表情も二分されていました。金でも銀でも誇ることが出来る順位であるとは思いますが、やはり重みが違うと言うことでしょうかね。見た感じは選手のサポートをされていた方々だったようなので応援に気合が入るのは当然のことと言えば当然なのですが。

 ちなみに女子のファイナルが開始される時間前にはグッズショップは営業が終わる時間を迎えていましたが、グッズは会場入口で13時まで営業していますとのアナウンスが。何だかね。

 帰着時間が遅くなるので混合のファイナルは観戦せず帰路につきます。会場前のシャトルバス待合所でスタッフの方々や朝バスで一緒だったボランティアさんとバスが到着するまでの間、しばし歓談。スタッフの方々に射撃のルール等を話したり。ボランティアさんは表彰式でキャラクターの人形を持ってくる役目をしていましたが、人形の座りが悪くて倒れないか心配だったそう。仮に倒れたり落としたりしてもボランティアさんは人形に触れないとのことで手汗がひどかったと。ボランティアさんは地元の方でしたが、ラリージャパンが開催される場所の方だけあってラリーにめっちゃ詳しかったです。聞けば地元の高齢者もラリーにハマっている人が多いとか。意外な場所で意外な人たちに好かれるスポーツがあると知りました。

 ところで、女子の本選にブータンの選手が(DEM Kinley)。ブータンと言えばアーチェリーと言うイメージでしたが射撃にもエントリーしていたとは知りませんでした。21人中16位の成績。強豪国がひしめくアジア大会で本選に残ったのは素直にすごいと思いました。(ブータンのネット記事)

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