アパレル業界の展示会であるFaW TOKYO(Fashion World TOKYO)2024春に行ってきました。開催場所は東京ビッグサイト。それもつい先日、サイクルモード東京で出展したばかりの西棟での開催。会場にものすごい既視感が(笑)。
サイクルモードと違うのはワンフロアだけでなく、建物一棟全てでイベントが開催されていること。来場者数は昨年秋開催の場合、平日3日間で20,195人。会場の規模等を考えるとサイクルモードより相対的に人出は少ないと思いますが、出展ブース数が一千社を超えているとのこと。こちらはサイクルモードは全く歯が立たないですね。そもそもこの二つのイベントを比較すること自体意味がないとは思うのですが、それでもブースの数には圧倒されます。
まずは「アジアの縫製・生産工場EXPO会場」から。シューズやアパレル、カバン等のカテゴリー別にブースが立ち並んでいます。簡体字とローマ字だけのブースばかりかと思いきや、日本語の看板もあったりしてちょっと驚き。大変失礼ながら中国企業の出展は接客することもなく携帯電話をいじったり仲間内で談笑するイメージを持っていました。今回もテーブルを囲んで談笑している風景は一緒でしたが、商品を見ようとすると全員が立ち上がり、代表の人(たいていは日本語か英語のできるスタッフ)話しかけてきました。商品の説明や名刺の交換の風景はさながら日本の商談会そのもの。今まで狭い視野でしか物事を見てこなかったのだなと反省しきりです。中国企業の場合、どんなリクエストでも受ける=顧客の要望があればどんな製品でも制作すると思っていましたが、とあるブースでは「この縫製方法は特殊なので当社ではできかねます。」と言う声が聞こえました。どんな製品でも制作すると言うのは受注を受けたいからなのか、それとも技術力があることを示したいのかはわかりませんが、それを否定するような言葉が中国企業から聞かされる(立ち聞きだけれど)とは思いもよりませんでした。
さて、今回こちらのイベントに行ったのはとある商品を作ってもらえるかの感触を確かめたかったため。とは言え、各ブースに掲示されているサンプル商品を見てもお願いしたい商品のサンプルがほとんどなく、これは単なる見学会になったかと思った頃にやっとお目当てのブースを発見。日本語ができるスタッフがいらっしゃり、事情を説明したところ制作は可能とのこと。ただし、最小ロットが300とのことなのでちょっと悩ましいところ。こちらのブースの企業は日本の大手企業のOEM生産をしているので信頼はおけそうです。
縫製関係は中国が中心でしたが、革製品のブースやシューズ、特にサンダルのブースは違った国の企業が多かったですね。パキスタンやバングラデシュと言った国の人たちが独特の訛りがある英語で応対していました。どのような素材のブースもそうですが、高級品からお手頃品までありとあらゆるものが展示され、それらの全てが品質の高いものでした。独自の技術を持った企業もあってなかなか興味深いものでしたが時間の関係上(と足の疲れ)で十分な説明を受けることがままならなかったのが残念。
その後素材やスポーツウェア等の大会場をまわりましたが足が痛くなってすべてを回りきることはできませんでした。素材の大会場はほぼ何も見ていません。立ちっぱなしもつらいですが歩きっぱなしも相当疲れますね。今回のイベント見学は視野を広げることができたなと思った反面、生々しい話にはなりますが何をするにしてもまずは資金だよねとも改めて認識した次第です。