5月29日。マルコの実家を出てエロイカの発祥地、ガイオーレ・イン・キャンティに向かう。出発前に家に置いてある古い自転車に乗せてもらう。地元のメーカー製の古い自転車。持ち帰ることが出来るものなら持ち帰りたいほど素敵な自転車であった。








出発して高速道路を走る。途中で寄ったサービスエリアは普通の商店のような品揃え。なかなか面白い。


時が経つにつれて典型的なトスカーナの景色となり、だんだんと丘陵地帯が見えてきた。ガイオーレ・イン・キャンティに向かう途中、山岳地帯の小さな集落にあるレストランで昼食。小さな集落のお店であるが、お客様は多い。料理が美味しいことは言うまでもないが楽しい店員さんの軽快なトークも楽しかった。



ガイオーレ・イン・キャンティに到着。非常に静かな街で歩いている人はほとんどいない。エロイカの日はここがお祭りのように人で溢れるとはなかなか想像出来ない。エロイカガイオーレ・イン・キャンティ自体、既に人数的にオーバーフローを起こしてしまっているとか。
常設されているエロイカショップに向かう。日本やネット通販では販売されていない商品がずらりと並ぶ。キューバで開催されたエロイカのポスターが欲しかったのだが、曲げてしまいそうで(ポスターを入れる筒は売っていた)泣く泣く断念。裏側が化繊、表面がウールと言うビブもあった。



お店を出てガイオーレ・イン・キャンティの中心部へ。小さな通りに面したお店が連なる場所が中心部だ。お年寄り2人がベンチでのんびりと話をしているその前で小さな女の子がボッテキアの小さな自転車で爆走している風景が何とも言えぬ雰囲気を醸し出している。






ブラブラと通りを歩いていると自転車屋さんぽい店舗を見つけたので入ってみる。エロイカのウェアがエロイカショップより少しだけ安く売られていたりオリジナルのウェアが売られている。オーナーご自身がデザインしたウェアやオーナーが集めたウェアなどを販売しているこのお店、古いドラーリなどのフレームが飾られていたり、エディ・メルクスやフランチェスコ・モゼールが実際に着用したウェアが展示されていたり(何と販売していた)となかなかマニアックなお店。ここで偶然今年のジロ・デ・イタリアを全て観戦してきている日本人の方にお会いした。この方、実は東京ではかなり有名なイタリアンレストランのシェフさん。まさかの出会いにコーディネーターさん大興奮。私も名刺を交換すればよかったと後悔。
お店の中で話をしているとオーナーからこちらに来いと言われて行ったのはお店の隣にある展示室。こちらには最近の選手のサインが入ったジャージなどが展示されていた。







そこにレニャーノのシングルスピードの折りたたみ自転車が置いてあることに気がついた。値札がついているのだが、破格の値段。それこそ新品のウールジャージより安い。何かの間違いかと思ってこれって売物なの?値段は合っているの?と聞くと売物だし値段も合っているとのこと。さらにコーディネーターさんから「日本に持ち帰れますよ。」の一言。これは持ち帰らない訳にはいかないと購入決定。ブレーキシューはほぼ摩滅、タイヤもチューブに穴が空いているのか空気を入れても抜けてしまうが状態は悪くない。錆が酷いのはご愛嬌か。オーナーからは錆は落とさないで欲しいと言われたが、葉山の湿気を考えるとそれを守ることが出来るか自信がない。


ガイオーレ・イン・キャンティを出発し次の目的地であるブローリオ城に向かう。こちらの城はトスカーナ地方の重要要塞であり、また産業や交易の重要地点でもあった。このことからシエナ、フィレンツェなどの都市国家から度々攻撃を受けた場所でもある。エロイカで走る道はこの城の一帯はリカーゾリ家が支配した地域であるが有能な政治家や経営者を輩出したリカーゾリ家はワイン好きならば誰もが知っているキャンティワインの創設者を輩出した名家。リカーゾリ家の小作人が自宅から畑、畑から自宅へと自転車で走った道がストラーデビアンケ、白い未舗装道である。緩やかな、そして時には急峻な坂道が続く丘陵地帯を貫くストラーデビアンケはエロイカを走る人たちにいにしえの歴史を踏みしめて進む場でもあるのだ。
見学が終わると併設されたレストランで夕食。ここの若い給仕さんの1人が去年まで名古屋の新栄で働いていたのだと言っていたが日本語は全く話してくれなかった。何の仕事をしていたのか聞かなかったけれども、世界は狭い。
夕飯後、シエナへ。山道にも関わらず最高速度が90キロメートルとの表示。地元の車は狭い山岳道路をとにかく飛ばす飛ばす。下り坂のカーブで飛んでくる車に何度も肝を冷やした。シエナの宿に着いたのはまぁまぁ遅い時間。宿は一軒家かよと思えるほど広い部屋に案内された。自炊も出来る設備もあった。

翌日はエロイカが開催されるモンタルチーノに向かい、出走準備と買付をする予定。
素敵なレポートありがとうございます。
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